【プラグイン調査】bx_console SSL 4000Eの倍音について調査

パンダさん

チャンネルストリップで付加されるアナログ感その一端でも検証できればと思い、実際に倍音感がどんな風につくのか見てみたいと思います。

コパンダ

これが真似できれば同じようなサチュレーション感が実現できる???

前回のShadowHillsのコンプに引き続き、プラグインで付加される倍音を調査して、自分のプラグイン開発などに活かせたらいいなと思い、今回はbx_console SSL 4000Eで付加される倍音について調査していきたいと思います。

bx_console SSL 4000Eは、かなり使用頻度が高いプラグインで、お気に入りなので、ぜひこの倍音感が自分のプラグインでも表現できたらいいなと感じています。

目次

こんな人の役にたつかも

・暇を持て余した、プラグインが好きな人

・bx_console SSL 4000Eの倍音について具体的に知りたい人

・プラグインを作成している人

調査方法

LogicProXのサイン波を発生させる「Test Oscillator」を「bx_console SSL 4000E」に入力して検証します。

周波数のスペクトルアナライザは、Ozone9のEqualizerを利用しています。

100Hzの入力は次のようになりました。

初期状態

単純に、SSL4000Eプラグインを挿入した段階が次の波形です。入力は100Hzのサイン波です。

3次倍音が発生しました。また、それ以上の帯域には、何かしらの音声が付加されてきています。この高周波は常に変動していて、アナログ回路を通したときに付加されるノイズのような雰囲気があります。

THDで倍音を強調

倍音感を強調するTHDつまみをマックスにあげてみます。入力が100Hzのサイン波です。

5倍の倍音が出てきました。倍音と、高周波のノイズのような信号がより強調されてきました。

個人的に、ディストーションギターのバッキングのバストラックにちょっとTHDつまみをあげめにして、ザラザラと質感にするのが好きなのですが、この高周波のノイズのような信号たちがザラザラとした質感を増してきているのがわかりました。

周波数の変更

100Hz、200Hz、300Hz、500Hz、700Hz、1000Hzをのサイン波で見ていきます。

THDつまみはMAXとした状態で周波数を変更させていきます。

100Hz

300Hz、500Hzの倍音が出現しました。3倍、5倍の奇数倍音です。

200Hz

400Hz、600Hz、1000Hzが出現しました。この辺りから2倍の倍音が少しづつ出現し始めます。

300Hz

600Hz、900Hz、1500Hzの倍音が確認できます。2倍、3倍、5倍の倍音が出現しています。

500Hz

1000Hz、1500Hz、2500Hzの倍音が確認できます。2倍、3倍、5倍の倍音が確認できました。

700Hz

1400Hz、2100Hz、3500Hzの倍音です。こちらも同じように2倍、3倍、5倍の倍音です。

1000Hz

2000Hz、3000Hz、5000Hzの倍音が確認できました。今までと同じ倍音構成です。

200Hz付近から出現する2次の倍音は、THDつまみのゲインでの音量は変わらないようでした。1000Hzにて、THDつまみを0にしてみた様子です。3倍の倍音が小さく(2倍と同等の大きさ)になり、5倍の倍音が消えました。

ちなみに、200Hz付近から2倍の倍音が見えるようにと記載しましたが、実際に、スペアナの仕組み上、完全に正確な連続した周波数を表現できているわけではないので、低い周波数ほど、周波数表示の裾野が広く見えてしまいます。その裾野に隠れているだけで実際は発音されているという可能性も否定できません。100Hzの場合、本来は100Hzのところに棒状にスペクトルが出現するのが理想なのですが、フーリエ変換というアルゴリズムの都合上、裾野が発生してしまいます。次の図のように、裾野に隠れている可能性があります。もう少し深掘りしたい場合、窓関数を変更してスペクトルを確認したりすれば色々いいのかもしれません。JUCEで開発したスペアナなら細かくいじることができるので、今後時間があったらやってみようかなと思いました。

コンプによる倍音の変化

コンプレッサーのスレッショルドを下げることで、倍音が変化しましたので、その様子を見ていきます。

100Hzのサイン波を入力して、THDつまみはMAXです。

まずは、入力に対して、スレッショルドが若干かかるくらいのところです。

700Hz、900Hz、1300Hzが倍音として確認できる程度出てきました。1100Hzもありそうでしたが、多分すごく小さくて他のノイズ的信号と同化している雰囲気です。奇数倍音の7倍以上が強調されてくる感じですね。

次に、スレッショルドを一番突っ込んだ状態、-20までつまみを回しました。

1100Hz、1300Hz、1500Hzと確認ができるようになりました。

コンプレッサーへ突っ込むことで、7倍、9倍、13倍が出現し、スレッショルドが深くなるほど徐々に11倍、15倍も強調されてくるような感じになりました。

まとめ

DAW上のプラグインで調査を行いました。bx_console SSL4000Eには次のような倍音特性があることがわかりました。

1)奇数次倍音が付加されます。

2)200Hz付近から2倍の倍音が出現します。(スペアナの性能上、出現するように見えるだけかもしれない)

3)周波数全体にわたってアナログ回路を通したような常に変化するノイズのような信号が付加されてました。

4)THDつまみによって、倍音の音量が上がることが確認できました。

5)コンプレッサーのスレッショルドを突っ込む(-20に近づける)ことで、7倍、9倍、それ以上の奇数倍の倍音が出現して、強調されていきました。

このチャンネルストリップは、付加されるノイズのような信号がとてもいい味を持っていると感じました。倍音のみで行くと、shadowhillsと同じように奇数倍音を中心に追加しています。

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